缶ヶ江メグルは進撃の巨人が好き

壁の向こう側に行く

『進撃の巨人』あらすじまとめ 1巻~20巻

 

1巻 100年続いた壁の中の平和が破られる

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第1話 二千年後の君へ

第2話 その日

超大型巨人の出現で、100年の間続いた平和が終わる。ウォール・マリアに穴を空けられたのだ。エレンは母親が巨人に喰われる。父親は行方不明。いつか調査兵団に入って巨人を1匹残らず駆逐すると決心する。

 

 

第3話 解散式の夜

第4話 初陣

5年後、エレンはミカサ、アルミンとともに訓練兵を卒業する。とほぼ同時期に超大型巨人が再び出現し、ウォール・ローゼの先端の町の壁に穴を空けられる。エレンたち訓練兵卒者も巨人駆逐に駆り出され、仲間が次々と喰われる。そしてエレンも、アルミンを助けた時に巨人に喰われてしまう。

 

2巻 トロスト区混乱 巨人殺しの奇行種現る

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第5話 絶望の中で鈍く光る

穴を空けられた壁(ウォール・ローゼ)から、巨人が次々に侵入し、兵士たちは喰われて行き、避難民たちの間ではもめごとが起き、混乱状態が続く。

 

第6話 少女が見た世界

ミカサは避難民に襲いかかろうとしていた巨人を一人で殺してしまう。その後ミカサはなぜか自分の過去を思い出す。ミカサは東洋人の末裔。子どもの頃、人身売買するギャングに両親を殺され、そこをエレンに助けられた。もうこれ以上家族は失いたくないという思いから、エレンを守ることにこだわる。

 

 

第7話 小さな刃

第8話 咆哮

第9話 心臓の鼓動が聞こえる

巨人との戦闘中立体機動装置のガスが切れ、ミカサは一旦生きることを諦める。しかしその時、ミカサを食おうとした巨人を、別の巨人が殺してしまう。巨人殺しの奇行種を利用して、ミカサ達生き残った訓練兵はなんとかガスの補給に成功し、一命を取りとめる。巨人殺しの奇行種が力尽きて倒れた時、何故かそこから巨人に喰われたはずのエレンが現れる。

 

3巻 エレンは巨人…? トロスト区奪還作戦決行

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(特別編 リヴァイ兵士長 省略)

第10話 左腕の行方

第11話 応える

窮地を脱したミカサ達だったが、問題が山積みだった。エレンは駐屯兵団に囲まれ、巨人と疑われる。人類にとって脅威になる存在ということで、殺されてしまう危機に。しかしアルミンの勇気ある説得と、南側領土の最高責任者、ピクシス司令の命令で殺されずに済む。

 

 

第12話 偶像

第13話 傷

なんとかエレンが人類の敵じゃないことを証明できないかと、アルミンがウォール・ローゼに空いた穴を巨人化したエレンに岩でふさいでもらう案を思いつく。ピクシブ指令はその案を採用し、トロスト区奪還作戦を決行する。岩のあるところまで来て、エレンが巨人化したところまではよかったが、まだ能力のコントロールがうまくいかないのか巨人エレンは暴走し、岩を持ち運ぶ任務どころではなくなる。アルミンが必死にエレンに呼びかけるが、それにも応答する気配がない。

 

4巻 ウォール・ローゼ、奪還!

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第14話 原初的欲求

アルミンの呼びかけがエレンに届き、巨人エレンは目を覚ます。岩を持ち上げ、穴が空いたところまで持って行く。その間、巨人エレンが巨人に邪魔されないように、兵士たちが犠牲になりながら巨人をおびき寄せる。その効果もあって、無事巨人エレンは壁の穴を岩でふさぐことに成功する。犠牲になった兵士の数たるやおびただしかったが、人類が初めて巨人に勝った瞬間だった。

 

第15話 個々

第16話 必要

第17話 武力幻想

第18話 今、何をすべきか

(エレン達の訓練兵時代の話、省略)

その後エレンは人間に戻り、3日間昏睡状態になる。その間、トロスト区に閉じ込めた巨人の駆逐や、死体の回収、火葬などが行われる。エレンやミカサ達が訓練兵時代の回想も挟まれる。今回の作戦で死んだ兵士の火葬をしている時、憲兵団志望だったジャンは、マルコの死をきっかけに調査兵団に入ることを決心する。

一方エレンは昏睡状態から目を覚まし、エルヴィン団長とリヴァイ兵長から「何がしたい」と訊かれる。エレンは「とにかく巨人をぶっ殺したい」と答え、リヴァイ兵長がエレンの調査兵団入団を認める。

 

5巻 エレン、調査兵団入団 壁外調査へ

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(特別編 イルゼの手帳 省略)

第19話 まだ目を見れない

第20話 特別作戦班

リヴァイ兵長から調査兵団入団を認められたエレンだったが、まだ公式には決まっていない。エレンは審議にかけられる(裁判みたいなもの)。内地に住む憲兵団や宗教の者から、早く殺すべきだとの意見が出るが、エルヴィン団長の提案で、次の壁外調査でエレンが人類に有益だと証明する条件付きで、エレンの調査兵団入りが公式に決まる。リヴァイが班長の、特別作戦班に属することになる。

 

 

第21話 開門

第22話 長距離索敵陣形

一方、エレン以外の104期訓練兵の入団決めもあり、登場キャラクターの中でアニだけ憲兵団へ、他は皆調査兵団に入団する。また同時期、事件も発生。トロスト区奪還作戦の際、生け捕りにしていた巨人2体が何者かによって殺されていた。調査兵団は犯人捜しをするが、見つけられなかった。

 

そしていよいよ、第57回壁外調査が始まる。公表された目的は、エレンの父が巨人の秘密を隠しているとされる、シガンシナ区エレンの家へ行き、無事帰ってくること。しかし、道中巨人の大群に遭い、多くの団員が失われる。にもかかわらず、作戦続行の合図。ここでアルミンの班に、巨人の大群を連れてきた、通常種でも奇行種でもない、知性を持った巨人「女型(めがた)の巨人」が迫る。班長らが交戦を試みるが、歯が立たず殺される。そしてアルミンのすぐ後ろまで女型の巨人が追いつく。

 

6巻 壁外調査の本当の目的

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第23話 女型の巨人

アルミンが女型の巨人に捕まりそうになる。しかし巨人はアルミンのフードをつまんで、アルミンの顔を確認すると、喰わずにエレンのいる方角へ向けて走って行った。ライナー、ジャンと合流し情報交換をするアルミン。各々に配られた作戦書に書かれている、エレンの配置場所が食い違っている。死者も無視できない程多く出ているのに撤退命令が出ない。今回の作戦を計画したエルヴィン団長の目的とはなんなのか…。

 

第24話 巨大樹の森

 

調査兵団は壁外の重要な拠点、巨大樹の森へと入ってゆく。森の中に入る指示を受けたのは、エレンがいるリヴァイ班とその護衛班。その他の班は森の外周に散らばり、巨人を森の外におびき寄せる指示を受ける。森の中で何かするつもりなのだろうが、何なのかわからない。

 

第25話 噛みつく

第26話 好都合な道を

エレンたちが森に入ってしばらくして、女型の巨人が後ろから追いかけてきた。護衛班の兵士が戦うが、次々と殺られてゆく。馬の全速力で逃げつつ、後ろを見ていたエレンは巨人化して護衛班に協力しようとする。しかしリヴァイ班の指示は「このまま最速で前進。」エレンは前進か巨人化か葛藤するが、班員のぺトラに「私たちを信じて」と言われ、前進指示に従う。女型の巨人が護衛班を蹴散らし、逃げるエレンに間もなく追いつく頃、突然エルヴィン団長の「撃て!!!」の声がする。その瞬間何かを一斉に発射する音がし、エレンが振り向くと、女型の巨人が無数のワイヤーを突き刺され生け捕り状態になっていた。

 

7巻 女型の巨人、捕縛するも逃げられる

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第27話 エルヴィン・スミス

どうやら今回の作戦は、女型の巨人を巨大樹の森で生け捕りにすることだったらしい。リヴァイとミケは、エルヴィン団長の指示で早速女型の巨人のうなじを削ぎ、誰が入っているのか確認しようとする。が、女型の巨人は身体の一部を硬化させる能力を持っており、刃が刺さらない。エルヴィン団長が次の一手を命令した時、女型の巨人は急に断末魔の叫び声をあげる。すると、森の外におびき寄せていた巨人たちが一斉に森の中に駆けてゆく。巨人たちは行く手を阻もうとする兵士を無視し、まっすぐ女型の巨人めがけて走る。そして女型の巨人を喰い始める。調査兵団は巨人達から女型の巨人を守ろうとするが、手が追いつかず、女型の巨人は喰い尽くされてしまう。

 

第28話 選択と結果 

エルヴィン団長は総員撤退、帰還の指示を出す。その指示を受け、エレン含むリヴァイ班も安堵し、置いてきた馬の所まで戻る。しかし、その途中、何者かが立体機動で接近し、突然班員のグンタを殺害する。謎の敵が引っ込んでいったかと思ったら、その方角で一瞬閃光が走り、再び女型の巨人が現れる。リヴァイ班の者たちは仲間を殺られた仕返しに、女型の巨人に向かっていく、巨人化し戦おうとするエレンを制止させて。リヴァイ班の精鋭たちは一時女型の巨人の動きを封じ、もう少しで弱点のうなじを狙えたが、女型の巨人の予想外の自己修復機能の速さを読めず、反撃に遭い、全滅する。エレンは班の先輩たちに従って巨人化しなかったことを後悔し、復讐するため巨人化する。

 

第29話 鉄槌

女型の巨人VS巨人化エレン。巨人化エレンは狂ったように咆哮し、攻撃を繰り返すが、女型の巨人にはほとんどヒットしない。戦闘の熟練度の差がはっきりしている。やがて巨人化エレンは致命的な一撃を食らい、女型の巨人にうなじを食いちぎられる。そこから出てきた人間のエレンは女型の巨人に喰われてしまう。

 

第30話 敗者達

森の中で撤退していたリヴァイとミカサは、巨人化エレンの咆哮を聞き、その聞こえた方角へ向かう。そこで女型の巨人がエレンを喰い、逃げる所を発見する。リヴァイとミカサはエレンの救出を試み、なんとか成功する。女型の巨人を殺すのは諦め、撤退。調査兵団は壁内へ帰還する。

 

今回の壁外調査は形ある収穫もなく、失敗に終わる。

 

8巻 女型の巨人、捕獲 壁の正体は巨人?

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第31話 微笑み

第32話 慈悲

壁外調査が失敗に終わり、調査兵団幹部とエレンが王都に召喚されることになる。その途中、ウォール・シーナ(3つある壁の一番内側) の東城壁都市、ストヘス区を通過することになっていた。調査兵団はここである作戦を企てていた。

 

これまでの調査兵団が得た情報から推理し、アルミンは女型の巨人はアニだと特定する。そこで調査兵団はストヘス区憲兵団に新兵として入ったアニを捕獲する作戦を立てたのだ。調査兵団がストヘス区を通過する日、アニ達憲兵団新兵は、調査兵団の護送車を警護する仕事を任される。そこでアニを一人おびき寄せ、人間のまま捕獲する算段だった。しかしそれは失敗する。アニは多勢の調査兵団兵士に押さえつけられそうになった時、巨人化し女型の巨人になる。

 

第33話 壁

エレンに巨人化してもらい、女型の巨人をなんとしても捕獲しようとする。しかし女型の巨人は巨人化エレンをのして、ものすごいスピードで壁をよじ登り逃げようとする。巨人化エレンがミカサを投げ放ち、女型の巨人まで追いつく。ミカサは女型の巨人の指を切断し、女型の巨人を壁から落とす。地面に落ちた女型の巨人は巨人化エレンに押さえつけられ、調査兵団兵士らが女型の巨人のうなじを削ぎ、アニを引きずり出す。その時アニは自分を硬い水晶で包み、保護する。刃が全然刺さらない。調査兵団は仕方なくそのままの形でアニを捕獲する。

 

第34話 戦士は踊る

一方、女型の巨人が指を突き刺し、壁に穴を空けてしまっていた。何故か、その穴から超大型巨人の顔が覗いている。宗教団体のニック司祭がものすごい形相で「あの巨人に日光を当てるな、はやく壁をふさげ」とハンジ分隊長に命令する。衝撃の事実だが、人類を巨人から守っていた壁は、巨人でできていたらしい。

 

9巻 ウォール・ローゼ、突破された?

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第35話 獣の巨人

第36話 ただいま

第37話 南西ヘ

第38話 ウトガルド城

 

エレン、ミカサ、アルミン以外の104期調査兵団組は、アニのように巨人になれるものがいるかもしれないという疑いがあるため、ウォール・ローゼ内地の南区小さな拠点に集められ、待機命令を受けていた。そんな折、その小さな拠点の南方より多数の巨人が接近してくるのが発見される。

 

内地に巨人=壁(ウォール・ローゼ) が破壊された

 

と誰もがそう判断し、真相を確かめるべく104期生を含む調査兵団は内地調査に出る。しかし、調査に出てみると不可解なことが次々に起こる。巨人のやってきた方向から推測される壁破壊場所を周ってみても、壁はどこも穴が空いていない。人語を話せる獣姿の巨人が現れる。南にあるコニーの故郷の村では、建物はひどく荒らされ破壊されているのに人の血は全く落ちていない。コニーの家に身動きの取れない巨人がはまり込んでおり、コニーの母親のような声で一度「オ、アエリ」としゃべった。

 

夜になり、内地調査に出た兵士たちは、たまたま見つけた古いお城、ウトガルト城で休息を取る。巨人は日光が当たらないとほとんど活動しないはずなのだが、城の塔屋上から周りを見ると、何故か巨人たちがすぐ近くをうろうろしていた!

 

一方エレン、ミカサ、アルミン組はリヴァイ、ハンジ、壁(ウォール)教のニック司祭と一緒。アニを捕獲したウォール・シーナの東先端都市ストヘス区から、ウォール・ローゼの壁破壊予想地までを移動中。ウォール・シーナ南先端都市エルミハ区に着き、負傷したリヴァイとニック司祭は置いていく。ここでニック司祭から、104期生のクリスタは壁の秘密を知る一族の者だという事実を知らされる。クリスタに詳しく話を聞くのと、ウォール・ローゼ内地に巨人が出現した謎を解くために、一行はウトガルト城を目指す。

 

10巻 内地調査するも、壁に穴は空いていなかった

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第39話 兵士

巨人が現れたウトガルト城では、兵士たちが巨人と交戦中。しかし巨人は倒しても応援がやってくる。武器と立体機動装置のガス、体力が尽きた兵士は巨人たちに喰われてしまう。104期生たち、ライナー、ベルトルト、コニー、ユミル、クリスタは内地調査出発時に武器を取り上げられて待機させられていたため、丸腰状態。巨人が塔の扉を壊し、侵入してくる。塔の屋上まで逃げ、追いつめられる。

 

第40話 ユミル

第41話 ヒストリア

このまま巨人に喰われるのを待つしかないのかと思われた時、ユミルが屋上から飛び出し、巨人化する! 巨人化ユミルは塔を倒して巨人達を下敷きにするが、効果がなく巨人達に群がられ、喰われ始める。しかしそこでミカサが助太刀に入る。エレンたちがウトガルト城にたどり着いたのだ。そこからは、駆け付けた兵士たちが速やかに巨人達を駆逐する。クリスタは、ユミルが秘密を明かした時の約束を守り、本当の名前、ヒストリアを教える。

 

 

第42話 戦士

調査兵団一行はウトガルト城を後にし、ウォール・ローゼ南の壁修復にとりかかる。しかし、壁の穴の場所を探しに行っていた駐屯兵団ハンネス隊長が戻ってきて言ったのは、「どこにも穴がない。」しかも道中全く巨人と出会わなかったと。仕方ないのでトロスト区で待機するとハンジ分隊長が指示を下す。

その間、ライナーとベルトルトがエレンにわけのわからないことを言い始める。ライナーは鎧の巨人で、ベルトルトは超大型巨人で、エレンが自分たちと一緒に来てくれれば、俺たちはもう壁を壊さなくていい、などと。もちろんエレンは誘いを断る。すると2人は、もう今ここでやる! などと言い出し、突然巨人化する! 鎧の巨人と超大型巨人に! 2体はそれぞれエレンとユミルをさらい、逃走しようとした。エレンは仲間だと思っていた2人が敵側だったショックと怒りで、巨人化する。

 

11巻 エレンとユミル、ライナーとベルトルトに攫(さら)われる

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第43話 鎧の巨人

第44話 打・投・極

鎧の巨人は壁から地面に降り、そこで巨人化エレンと対決する。超大型巨人は壁の上に留まり、兵士たちと交戦中。鎧の巨人は全身が硬い装備で覆われており、殴り合いが通用しない。そこでミカサのピンポイントの肉削ぎと、巨人化エレンのアニ直伝関節技で鎧の巨人を追いつめる。しかしもう少しで倒せるという所で、超大型巨人が壁の上から巨人化エレンに向かってとどめの一撃を食らわし、エレンは敗れる。

 

 

  

第45話 追う者

第46話 開口

エレンは目が覚めると、森の中の樹の上にライナー、ベルトルト、ユミルと共にいた。どうやらあの後、鎧の巨人と超大型巨人はエレンとユミルをさらって、ウォール・マリア内地の巨大樹の森まで逃げてきたようだ。さっきの戦いで皆体力を消耗していたので、巨人が活動しなくなる夜まで休憩するつもりらしい。

 

一方調査兵団一行は、エレン奪還を目的に作戦立案中。ハンジ分隊長は、アニが巨人化した後ぐっすり寝込んだという情報から、奴らも先程の戦闘の疲れをどこかで癒すはずだと考え、ウォール・マリア内地の巨大樹の森が可能性大と踏む。夜までにそこにたどり着ければまだ望みがあると推定。早速その通りに実行に移すため兵と馬を集め、出発する。

 

12巻 エレン奪還作戦 巨人を操る力、座標

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第47話 子供達

第48話 誰か

作戦には調査兵団と一部憲兵団も加わり、一行は日没までに巨大樹の森にたどり着く。

ミカサ達104期生も森に入るや馬から立体機動に移り、エレン達を探す。すると巨人化したユミルが現れ、突然クリスタを口にくわえてさらって行ってしまう。ユミルの後を追うと、鎧の巨人がエレン、ベルトルト、巨人化ユミルを乗せて森の外へ逃げていく。ミカサ達も急いで馬に乗り、後を追う。

  

 

第49話 突撃

エルヴィン団長は、鎧の巨人に隙を作り出すため、あえて巨人を大勢おびき寄せて後を追う。だだっ広い平原で、鎧の巨人、調査兵団、巨人の入り乱れた戦いとなる。

 

エルヴィン団長の思惑通り、鎧の巨人は巨人達にまとわりつかれてエレンを守る手がゆるむ。その隙をついて、エルヴィン団長とアルミンが、ベルトルトに背負われていたエレンを引き離すことに成功する。エレンはそのまま落下するが、ミカサがキャッチ! エルヴィン団長はすぐさま全兵に「撤退」命令を出す。

 

逃げられては困るので、鎧の巨人は調査兵団が進む道に巨人を投げ飛ばしてきて妨害する。飛んできた巨人に巻き込まれ、ミカサとエレンは落馬する。

ちょうどその時、エレンの母親を喰った巨人が2人に近づいてくる。そこへハンネス隊長が来て、5年前の仇を討つために巨人に立ち向かう。が、無念にも喰われてしまう。

 

 

  

第50話 叫び

エレンは自分が5年前と何も変わらず、なにもできないことを悔しみ嘆く。それを聞いたミカサは、もう自分たちは助からないと思ったのか、穏やかな表情と口調でエレンに話しかける。

そんなことない。私と一緒にいてくれてありがとう。私に生き方を教えてくれてありがとう。私にマフラーを巻いてくれてありがとう…。

エレンはミカサの言葉に勇気づけられ、今にも2人を捉えそうに伸びる巨人の手のひらに、渾身のグーパンチを放つ。ぺちん。その瞬間電撃のようなものが走り、周りの巨人たちが一斉にエレンの母親殺しの巨人目がけて襲い掛かり、食べ始める。

 

このチャンスに乗じて、エレン達調査兵団は撤退を図る。鎧の巨人がそれを阻止しようと近づいてくる。そこでエレンが怒りの形相で、来るな! ぶっ殺してやる! と叫ぶと、再び電撃が走り、巨人達が一斉に鎧の巨人に向かって走り出す。鎧の巨人は「よりによって『座標』が最悪の奴の手に渡った」とつぶやく。巨人が鎧の巨人を足止めしている間に、無事調査兵団は逃げることができた。

 

 何故かユミルは一緒に帰らず、鎧の巨人のもとに助太刀に行ってしまった…そしてライナー、ベルトルト、ユミルはウォール・マリアの壁上までなんとか逃げて助かる。

 

13巻 エレンとヒストリア、王政に狙われる

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第51話 リヴァイ班

調査兵団が壁内に帰還して1週間後、ウォール・ローゼ内の安全が確認された。どうやら今回壁は破壊されていなかったらしい。

その後の調査で驚くべきことがわかった。今回壁内に出現し討伐された巨人の数と、壁内のラガコ村住人数とが一致した。そしてコニーの家にいた巨人はコニーの母親の肖像画と顔がそっくりだった。つまり、巨人の正体は人間…!の可能性が高い。

 

今後の調査兵団のやることは2つに決まった。

エレンの力を使ってウォール・マリアの壁をふさぐこと(ウォール・マリア奪還)と、ヒストリア(クリスタ)の家やウォール教に関係する人物を辿って巨人の秘密をつきとめること。

そのためにリヴァイ班が新しく編成された。104期調査兵団のミカサ、アルミン、ジャン、コニー、サシャもメンバーだ。エレンとヒストリアももちろん入っている。

 

 

第52話 クリスタ・レンズ

しかし、今回の巨人出現事件以来、敵の邪魔も本気度が増してきた。ウォール教ニック司祭が中央憲兵に拷問を受け殺されたのだ。

ニックはウォール・ローゼの南端都市トロスト区、そこの兵舎に身を隠してもらっていたが、そのニックをウォール・シーナの内側の王都管轄、中央憲兵がわざわざ直接手をかけにくるとは、よっぽど壁や巨人の秘密を知られたくないのだろう。それだけ調査兵団も真実に近づきつつあるということだ。

 

 

第53話 狼煙(のろし)

新リヴァイ班は人里離れた山奥の小屋を拠点にし、巨人エレンの硬質化実験を行った。それができればウォール・マリアをふさぐことができるからだ。

実験の結果、今の巨人エレンには硬質化ができないことがわかった。なので次にやることはヒストリアの生家、レイス家やウォール教について追及することだ。

 

 

同時期にエルヴィン団長は王政召集のため王都に行っていた。エルヴィンから指示を書いた紙が伝令でリヴァイ班に届く。その紙には、トロスト区の有力商業組織、リーブス商会が中央憲兵から命令されてエレンとヒストリアを攫(さら)いに来るから、こうこうこうしろ、と書いてあった。指示の通り拠点を捨てて遠目に小屋を見ていると、夜襲が来て小屋は人に囲まれていた。

 

 

第54話 反撃の場所

その後リヴァイ班一行はトロスト区の街中へ向かい、ジャンとアルミンにエレン、ヒストリアの変装をさせて囮(おとり)作戦を試みる。

作戦は見事成功し、リーブス商会のアジトをつきとめ、商会のボス、ディモ・リーブスと接触する。リヴァイはディモ・リーブスと交渉し、リーブス商会を調査兵団の仲間にする。

 

そして早速リーブス商会から中央憲兵に、エレンとヒストリアを手に入れたとニセ情報を流す。調査兵団は、確認のためやってきた憲兵二人をエレンとヒストリアのもとへ連れて行く途中、事故に見せかけて拉致することに成功する。

 

14巻 調査兵団、革命作戦開始 それを阻む王政

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第55話 痛み

調査兵団は拉致した中央憲兵の2人に、拷問や騙しをかけて口を割らせた。彼らによると、レイス家が本当の王家であり、現在のフリッツ王家はその代理みたいなものである。その事実を伝令で受け取ったエルヴィン団長は、自分たちの地位を守ることしか頭にない現在の王政に革命を起こす作戦を、いよいよ実行する。伝令によってリヴァイ班とリーブス商会に作戦命令が伝えられる。その作戦とは…

 

 

第56話 役者

「ヒストリアを女王に即位させること」

 

①その日リーブス商会が第一憲兵(中央憲兵の1つ)にエレンとヒストリアを引き渡す予定で、予定通り行い、第一憲兵を尾行し引き渡し先をつきとめる。

②その引き渡し先とは、この壁の中の実質的最高指導者、ロッド・レイスのことである。ヒストリアの実父であり、上級役人からフリッツ王家まですべて彼の指揮下にあると言われる。

調査兵団はロッド・レイスの身柄を拘束し、民衆の前で王冠を仮の王からヒストリアに譲る儀式をしてもらう。民衆に、これまでの体制が嘘だったとわからせ、革命を起こした調査兵団を支持させる。

③そうして調査兵団への協力体制が整った段階で、ウォール・マリアの穴をふさぐ作戦に移る。

以上がエルヴィンの考えた革命作戦である。

 

 

第57話 切り裂きケニー

しかしこの作戦は一番最初の段階で邪魔が入る。

エレンとヒストリアの引き渡し時に、ディモ・リーブス含むその場にいたリーブス商会の者たちが第一憲兵に殺される。唯一小便で席を外していたディモ・リーブスの息子フレーゲルは第一憲兵に存在を気付かれずに生き延びる。

 

そして第一憲兵の妨害の手は緩まない。トロスト区の街中にディモ・リーブスの死体を持ってきて、これは調査兵団がやったと主張する。リーブス商会に攫われたエレンを奪い返すためにやったのだと。民衆が調査兵団への信用を捨てる中、第一憲兵から調査兵団活動停止を命ぜられ、エルヴィン団長は王都へ出頭となる。

 

 

作戦の雲行きが怪しくなり、エレンとヒストリアを見失ってしまった。だがリヴァイ兵長の読みで、エレンとヒストリアの移送はウォール・シーナ東先端都市、ストヘス区を通ると当たりをつける。リヴァイ班はストヘス区で張り込みをし、それらしき葬儀屋を見つける。

 

葬儀屋の尾行を続けていると、突然何者かに銃撃を受け、リヴァイ以外の尾行兵は全員殺られる。リヴァイ班を襲ってきたのは憲兵団で、その中に切り裂きケニーがいた。リヴァイは子どもの頃ケニーと暮らした時期があるらしい。

 

 

第58話 銃声

見慣れぬ立体機動装置武装した憲兵たちは、エレンとヒストリアを追いかけてくる調査兵団をここで全滅させるのが目的のようだ。そう気付いたリヴァイは、離れた所で荷馬車と待機させていた104期生たちと合流する。

 

一旦エレン、ヒストリアの奪還は諦め、無事憲兵たちから逃げることを最優先する。追いかけてくる憲兵をリヴァイとミカサが応戦する。が、その隙をくぐり抜けて憲兵の一人が荷馬車に乗り込んできた。ジャンは「動くな!」と銃を向けるが、憲兵はジャンの銃をなぎ払う。逆にジャンに銃口が向けられる。そして銃声が1回鳴る…

 

一方エレン、ヒストリアを運ぶ葬儀屋はロッド・レイスの元に到着する。

 

15巻 王都、制圧 調査兵団の無実証明

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第59話 外道の魂

ジャンに銃口を向けた憲兵は撃つのを一瞬ためらった。その瞬間に、荷馬車の御者(馬車を操縦する人)役だったアルミンが銃を懐から出し、憲兵を撃ち殺した。そして無事憲兵の追っ手をまいて街はずれの森に逃げた。

リヴァイは、逃げた自分達を憲兵たちが捜しに来ると踏んで、待ち伏せをする。

案の定捜索に来た憲兵がいて、身柄を拘束する。彼らを利用して中央憲兵の本部をつきとめたが、そこにエレンとヒストリアはいなかった。そこでボスらしき者を引きずり出し、2人の居場所を吐かせようとするが、吐かない。本当に知らないらしい。どうしたものか…

 

第60話 信頼

一方ウォール・ローゼ南、トロスト区。フレーゲル・リーブスが中央憲兵に見つかり、廃墟のような住宅の袋小路に追いつめられていた。憲兵フレーゲルに銃を向けて撃とうとした時、

「死ぬ前に教えてくれ。なぜ親父は中央憲兵に殺された?」とフレーゲルは請う。

 

すると憲兵はペラペラと真実を喋りだす。ディモ・リーブスは中央憲兵が殺したこと、それはリーブス商会が中央憲兵の人さらいの依頼を裏切って調査兵団側についたからだってこと、そもそもこの街に固執せずにどこかへトンズラこけばまだ命はあっただろうに…など。

そう言う憲兵フレーゲルは軽蔑する一言を放つ。憲兵の癇に障り、銃を構えまさに撃とうとした時…!頭上から調査兵団のハンジとモブリットが奇襲をかけ、3人の憲兵はのされる。

 

ハンジ「やったぞ!!聞いたかみんな!?」

すると建物の中からぞろぞろと人が出てくる。トロスト区の住民たちだ。彼らは一部始終を聞いており、調査兵団のディモ・リーブス殺しの疑いは晴れた。

と言っても、疑いが晴れたのはトロスト区の中でのみ。ハンジは現場にこっそり連れてきていたストヘス区(ウォール・シーナ東)のベルク新聞社の人に、この事件の真相を記事にしてくれないかと頼む。王政に逆らうような記事を書くと家族ごと殺されてしまう、と渋られるが記事を書いたあとトロスト区に関係者や身内の者をリーブス商会がかくまう条件付きで引き受けてもらえた。

 

 

第61話 回答

王都では、城の中で全兵団の幹部が集められて調査兵団の解体を進めていた。

王の間。エルヴィン団長は中央憲兵の尋問(拷問)を受けるが、それでもなおディモ・リーブスら殺害は無関係で、調査兵団は王政に敵対しておらず、この兵団の解体は人類にとって損害であると主張する。

しかし王政側の役人の一人のキモいおっさんは、1日前ストヘス区でリヴァイ班が憲兵を複数殺害したことを挙げ、王政への明らかな敵対感情だと主張する。対話による平和的解決を拒むような組織はこの壁の中には必要ない、と別のキモいおっさんが言う。そしてエルヴィン団長は処刑台に連れて行かれることになる。

 

…その時、王の間の扉がバンッ!!と勢いよく開けられた。

 「ウォール・ローゼが突破されました!!」

突如出現した超大型巨人と鎧の巨人によってカラネス区の扉が2つとも破壊された。現在東区より避難する住人が押し寄せてきている。

駐屯兵団ピクシス司令は迅速に指示を出す。住民の避難を最優先とし、避難経路を確保せよ。

 

 「ダメだ!!」

1人のキモいおっさんが叫ぶ。ウォール・シーナの扉を全て閉鎖せよ!!避難民を入れるな!!…ザワつく王の間。人類の半数を見殺しにするのか?そこへ武装兵を引き連れたザックレー総統がやってくる。

「先ほどの報告は誤報です」

 

エルヴィンがピクシスとザックレーに頼んだカマかけだった。人類の半数よりも自分たちの資産が大事だと考えている者がトップで、黙っているわけにはいかない。駐屯兵団は中央憲兵を制圧し、ザックレー総統が王都と行政区を制圧した。

 

 

第62話 罪

その時ちょうど王都ではベルク社の号外が人々を賑わせていた。ディモ・リーブスら殺害事件についてのフレーゲル・リーブスの証言、現在の全ての情報機関は王政の圧力に従っていること、フリッツ王は偽の王で本当の王は地方の貴族だという中央憲兵の証言。ほどなくして王都で現体制の崩壊が宣言された。

 

 

その頃ハンジ班が中央憲兵の本部近くにいるリヴァイ班と合流する。ハンジから調査兵団の冤罪が晴れたことを伝えられ、リヴァイ班は歓喜する(リヴァイは一人落ち着いている)。

ハンジは「エレンが食われる」と言って、早く救出に行かねばと焦っている。ライナーやベルトルト、ユミルの会話・行動から推察するに、『巨人になれる人間を 巨人が食べると 能力が継承されて人間にも戻れる』と。つまり敵はエレンではなく、エレンの持つ巨人の能力を欲しがっていると。

 

そしてエレンとヒストリアの居場所だが、エルヴィンから託されたレイス卿領地の調査報告書に手がかりがあった。

「5年前ウォール・マリアが破壊された日の夜、村に一つだけある石造りの礼拝堂でレイス家が一家全員で祈りを捧げていた。そこに盗賊がやってきて、ロッド・レイス以外一族全員を惨殺し、礼拝堂も全壊。盗賊を目撃したのはロッド・レイスただ一人、礼拝堂はロッド・レイスが自らの資産ですぐ建て直した」と。

巨人が関与してそうで、怪しいニオイがぷんぷんする。ハンジ、リヴァイ一行はレイス卿領地の礼拝堂を目指す。

 

16巻 リヴァイ、ハンジ一行、エレンとヒストリアのもとへ

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第63話 鎖

レイス卿領地、礼拝堂地下。エレンは高台のへさきに鎖でつながれ、動けない。ヒストリアがエレンの体に触れると、ヒストリアのある記憶が蘇る。エレンも父親に関する大事な記憶を思い出す。

ロッド・レイスが語り始める。

5年前、エレンの父グリシャ・イェーガーはこの場所にやってきて、レイス家一族を皆殺しにした。目的は、ロッド・レイスの娘、フリーダが持つ巨人の力を奪うこと。グリシャは巨人化し、同じく巨人化したフリーダと戦い、フリーダを食って巨人の力を奪った。そしてレイス家を根絶やしにするため、残りの家族も殺す。ロッド・レイスはかろうじてその場から逃げ出し、生き延びた。

話の途中でケニーが割って入ってくる。王都でクーデターが成功し、この場所もいずれ見つかる。時間がない。早くやることをやってくれ、と。ケニーは何か企んでいる顔である。

 

 

第64話 歓迎会

一方リヴァイ、ハンジ一行は道中、戦闘の役に立ちそうな物資を民家で調達しつつ、ついに礼拝堂地下の入り口まで辿り着く。これまで中央憲兵本部にも、王都にも、第一憲兵ケニーの対人立体機動部隊がいなかった。ということは、必ずこの先の地下におり、リヴァイら調査兵団の部隊を迎え撃つため待ち伏せている。

 

リヴァイ「それでお前ら…手を汚す覚悟の方はどうだ?」

皆肝の据わった、動揺のない2つの眼でリヴァイの方を向く。

 

「…良さそうだな」リヴァイが扉を勢いよく蹴っ飛ばして、総員地下へ侵入する。事前に対人立体機動の弱点をつけるようにと用意しておいた煙幕用の火薬と油や信煙弾が功を奏し、リヴァイらは次々とケニーの部隊を殺していく。

しかし、ハンジが敵に気絶させられ、リヴァイらの攻撃の手が止まる。その隙に敵の部隊は離れて距離を取り、体勢を立て直す。ハンジの介抱はアルミンが引き受け、残りの者で敵を追いかける…

 

 

ケニーの部隊とリヴァイらの戦闘の音が、エレンらのいる地下室奥にも聞こえてくる。

ロッド・レイスはまた語り始める。

この地下の洞窟は約100年前に作られた。ある巨人によって。その巨人は、あの三重の壁も作り、人々の壁の外にいた時の記憶を改ざんした。その巨人の力と、世界の成り立ちとその経緯の記憶は代々レイス家で継承されてきた。継承者が巨人化して食うやり方で。その力さえあれば、この世の巨人を駆逐することも可能だという。しかし、それはレイス王家の血を引く者でなければ真の力を発揮できない。つまり今エレンがその力を持っていても、使えない。

「オイオイ オイオイ…」ケニーがうろたえた顔で言う。「じ…じゃあ俺が巨人になってエレンを食っても意味ないのかよ…」

 

 

第65話 夢と呪い

ケニーには夢があった。この世で一番強い巨人の力を手に入れて、この世界を盤上ごとひっくり返すという、夢が。巨人の力のことは、もう何十年も前、ケニーがまだ都で切り裂きケニーと呼ばれていた頃、彼の祖父から聞いて知ったのだった。

 

でもここでその夢は叶わないと知ってしまった。ケニーはエレンの所まで歩いてゆく。そしてエレンの猿ぐつわを外し、ナイフで額に切り込みを入れる。エレンとヒストリア、同時に巨人になってもらい、殺し合う所を見ようというのだ。ケニーは見物のため安全な所まで離れる。

 

ロッド・レイスがヒストリアをたきつける。「急げヒストリア!!」エレンが巨人化する前に。ヒストリアは注射器の先を自分の腕につける。エレンを見る。全く抵抗しようとする気配がない。

「エレン、何で巨人化しないの?」

「いらなかったんだよ…。オレも、オレの親父も」

お前の姉ちゃんから力を奪わなければ、こんな大勢の命を失わずに済んだんだ。俺にはどうやっても償いきれない。ヒストリア、俺を食って人類を救ってくれ…

 

 

第66話 願い

ヒストリアは一瞬、自分の母に「こいつを殺す勇気が私にあれば…」と言われた時のことを思い出す。

注射器の手が止まっていると、ロッド・レイスがやさしい声で促してくる。しかし、エレンを食ったところで初代王の思想に支配されてしまい、巨人を駆逐することはできない……しかしそれは私の使命……ユミルのかけてくれた言葉が蘇る。「クリスタ、お前の生き方に口出しする権利は私に無い」……でもお父さんが望むのは私が巨人になってエレンを食うこと……ユミル「お前、胸張って生きろよ」

 

パリンッ!

 

ヒストリアは注射器を地面に叩きつけた。「ヒストリア!!」激怒してつかみかかる父親を背負い投げし、逆ギレする。

「もう!これ以上…私を殺してたまるか!!」

 

ヒストリアは側に置いてあったロッド・レイスの鞄を持って、エレンのもとに走る。鞄からカギを取り出し、エレンの鎖を外そうとする。

一方ロッド・レイスは割れた注射器からこぼれた巨人化液をなめて、巨人化しはじめる。エレンは巨人化したロッド・レイスに食われればいいと思い、ヒストリアに逃げろと言う。しかしヒストリアは嫌だと言う。何で!?

 

「私は人類の敵だけど…エレンの味方。いい子にもなれないし神様にもなりたくない。でも…自分なんかいらないって言って泣いてる人がいたら…そんなことないよって伝えに行きたい。それが誰だって!どこにいたって!私が必ず助けに行く!!」

 

エレンの鎖のカギを1コ外せたが、巨人化のものすごい熱風でヒストリアは吹き飛ばされる。壁に頭を打ちつけそうになった時、ミカサに受け止められ、助かる。

リヴァイや104期生の皆もやってきた。リヴァイとコニーとジャンでエレンの鎖のカギを外す。ロッド・レイスの巨人は超大型巨人よりも大きくなっていき、地下の天井を突き破ろうとしている。このままでは天井が崩落してガレキに潰され死んでしまう。と言って穴が開いた天井を立体機動で飛び抜けようにも、巨人化の熱がすさまじすぎて穴に近づけそうにない。しかしそれ以外に方法が無さそうだ。

 

どうする…。エレンはロッド・レイスの鞄から出ている、巨人化液の入ったビンが手元に転がっているのを見つける。ラベルには「ヨロイ」と書いてある。リヴァイがエレンに話しかける。

「毎度お前にばかり…すまなく思うが、好きな方をえらべ」

エレンは女型の巨人を捕らえる時、リヴァイから同じことを言われたのを思い出す。

そして「ヨロイ」のビンをつかんで走り出し、ビンを口でかみくだく。液を飲んで、巨人化しはじめる。

 

「ごめんなさい…最後に一度だけ…許してほしい。自分を信じることを」

 

17巻 エレンとヒストリア奪還成功 ヒストリアは女王になる

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第67話 オルブド区外壁

エレンはミカサとジャンにほじくり出されて、自分の巨人から救出された。目が覚めてみると、硬質化した巨人エレンと、天井の崩落を防ぐための何本もの柱が立っていた。どうやらエレンは硬質化に成功し、皆を助けたらしい。これでウォール・マリアもふさげる。

 

地上へ出てみると、超大型巨人の倍くらいある巨人、ロッド・レイスが四つん這いになって、近くの木々を燃やしながら移動している。エレンに「叫び(座標)」の力を試させてみるが、発動しない。

巨人はウォール・シーナ北城壁都市オルブド区の方角へ一直線に進んでいる。奴はより大勢の人間が密集する方へと吸い寄せられる奇行種と見られる。選択肢は、エレンを食わせて人間に戻すか、殺すかの2択。

しかしエレンはせっかく硬質化を修得し、壁をふさげる目処が立った。それに父グリシャが苦労してレイス家から奪った力は、何か意味があるはず。シガンシナ区エレンの家の地下室に辿り着くこと、そこに何が隠されているのか確認するまでは、エレンは失えない。ヒストリアには悪いが、ロッド・レイスの巨人は殺す方針が固まる。

リヴァイ、ハンジ一行はエルヴィン団長率いる調査兵団部隊と合流し、オルブド区へ急ぐ。

 

 

第68話 壁の王

オルブド区の駐屯兵団と調査兵団で協力して巨人を殺すことになった。区内の住民は避難させずに作戦を実行する。なぜなら人々が避難する方に巨人が吸い寄せられてしまい、オルブド区の外壁で迎え撃つことができなくなる恐れがあるからだ。

 

そしていよいよ巨人が城壁に近づいてきた。ヒストリアは安全な場所で待機命令を受けていたが、何か考えがあるらしく兵服と装備をそろえて前線に来た。かき集めてきた砲台を壁上から地上から、巨人のうなじめがけて一斉に発射する。しかし効き目は無かった。

そこで、エルヴィンが考えた作戦に移る。何やら荷車に立体機動装置の射出器を取りつけたものに火薬を積んだり、たくさんの火薬の樽を大きな網でひとまとめに包んだりしている。

そうこうしている間に巨人は城壁の真下まで来た。両手を壁の上まで伸ばして、巨人は立ち上がる。オルブド区の住民たちは巨人を見てパニックになり、我先に逃げようと走り出す。壁上の駐屯兵団を退避させ、調査兵団の作戦が始まる。

 

エレンが巨人化して、少し離れて待機している。エルヴィンの信煙弾が撃たれると同時に、巨人が手をついている両外側から荷車の射出器を発射。巨人の手に刺さると、ワイヤーを巻き取りながら荷台は巨人の手めがけて直進する。荷車が巨人の手にぶつかり、載っていた火薬が爆発、巨人は体勢を崩し、アゴが壁に引っかかる形になる。

次にエルヴィンの指示で、巨人化エレンが大きな網に包んだ大量の火薬を担いで巨人に近づく。そしてその包みを巨人の口に勢いよく放り込む。巨人の体内で火薬は爆発し、うなじ辺りの肉片が四方八方に吹き飛ぶ。

そのどれかが奴の本体なので、総員立体機動で肉片を捉えて切りにかかる。一体どれが本体だ!?早くしないとまた再生して高熱の盾が復活してしまう。その時、ヒストリアが肉片を切ると、他の肉片が崩れて消えだした。ヒストリアはそのまま落下して何かの荷台の上に落ちた。駐屯兵団の兵士や街の人々が心配して集まってくる。

 

「君があの巨人にとどめを刺したのか!?この街は救われたのか!?」

「…私は、ヒストリア・レイス。この壁の真の王です」

 

ヒストリアは自分が巨人にとどめを刺したことにしてほしいとエルヴィンに相談していた。そうすればこの壁の求心力となって民衆をまとめることができると。しかしまさか本当に自分で仕留めてしまうとは…

 

 

第69話 友人

王都でヒストリアの戴冠式の準備が進められる中、リヴァイはレイス卿の礼拝堂周辺でケニーを探していた。ケニーは林の中で木にもたれかかり、ひどいやけどと出血で虫の息であった。一人昔のことを思い出していた…

 

ケニーの妹クシェルは地下街の娼館で働いていて、ある客との間にできた子どもを産む。それがリヴァイだった。クシェルはその後病気をもらって衰弱死する。クシェルの家で死にかけていたリヴァイを拾ったのがケニー。

ケニーはリヴァイに地下街での生き方を教えた。力がなければならない。いや、力さえあればいい。リヴァイが子どもながらも一人で生きていけるようになった時、ケニーはリヴァイの元を去った。

 

そしてある日、ケニーは王政の議会関係者から情報を吐かせ、レイス家 巨人の力継承者、ウーリ(ロッド・レイスの弟)を襲うが、巨人の手に握りつぶされそうになり、初めて自分より強い奴の力に屈服する。

ウーリの意志でケニーは殺されずに済み、憲兵団に入ることになる。ケニーはウーリと親交を深める。

月日は流れウーリは次の継承者に食われる時となった。次の継承者フリーダもウーリと同じような目をしていて、いつも愛だの平和だのとのんきなことを言っている。なんでそんな暇なことを言っていられるのか、ケニーには全く分からなかった。神にも等しい力を手に入れてしまうと誰でも慈悲深くなってしまうのだろうか。クズみたいな俺でも?それを確かめたかった…

 

 

 リヴァイがケニーを見つける。ケニーの部下は全員地下崩落時に潰れて死んだらしい。ふとケニーが喋りだす。

「今なら奴のやったこと、わかる…気がする。俺が見てきた奴ら…みんなそうだった…酒だったり…女だったり…神様だったりもする。一族…王様…夢…子供…力…みんな何かに酔っ払ってねぇとやってらんなかったんだな…みんな…何かの奴隷だった…あいつでさえも…」

そして最後にリヴァイにある物を託す。ケニーがロッド・レイスからくすねておいた巨人化注射セットだった。間もなくケニーは息を引き取った。

 

 

第70話 いつか見た夢

王都。民衆が集まった中、ヒストリアの戴冠式が行われていた。ヒストリアの考えた通り、民衆は歓迎モードである。

それから2ヶ月。ヒストリアはレイス卿領地の牧場で、孤児院を開き院長として忙しくしていた。地下街の孤児を集めてきて面倒を見る。一人で困っている人がいたらどこにいたって助けに行く。彼女のやりたかったことだ。

 

新体制になると、旧体制の権力者たちは爵位剥奪や地方の収容所送りなど、粛清を受けた。また、これまで中央憲兵によって抹消されてきたとされる技術革新の芽は、実は一部の中央憲兵により保持されていた。それで兵器の改良がなされたり、他にもいろいろと便利な物が開発された。

ウォール・マリア奪還作戦の準備も着々と進んでおり、あと約1ヶ月で全ての準備が整うところまで来た。

 

エレンはレイス卿の洞窟で記憶が蘇った時、父グリシャがフリーダを食ってからエレンに食われるまでに会っていた人物を思い出していた。それが誰だったのかわからなかったが、ジャンの冗談で思い出す。キース・シャーディス教官だ。訓練兵時代お世話になった人。

 

 

 一方ウォール・マリア、シガンシナ区では獣の巨人と鎧の巨人が戦っていた。ライナー(鎧の巨人)が勝てば、エレンを奪う前にアニの救出をするという賭けの勝負をしていたらしい。しかしライナーは負けた。ベルトルトが心配そうに駆け寄る。

3人は、エレンたちが来るのを待ち受ける…

 

18巻 ウォール・マリア奪還作戦、開始

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第71話 傍観者

 エレン、リヴァイ、ハンジ、104期生(ミカサ、アルミン、ジャン、サシャ)一行は、訓練兵団教官キース・シャーディスの元を訪れる。彼からグリシャについて知っている話を聞く。

 

キースとグリシャが出会ったのは今から20年前、壁の外でだった。キースは調査兵団の一員で、壁外調査の帰路、ウォール・マリア シガンシナ区壁門前で丸腰状態の男を見つけた。

無許可で巨人領域に侵入したという罪で壁内の牢に拘束したが、特に被害者がいるわけでもなかったので、上への報告は無しで釈放となった。男は壁の中の歴史とか成り立ちとか、地域の名前とか、この壁の中の世界のことを何も知らなかった。知っていたのは、出生記録にもない彼自身の名前、グリシャ・イェーガーと、職業が医者だということだけ。

グリシャには壁の中に頼りの者などいなかったので、シガンシナ区で医者をしながら生活することになった。

 

ある時街で伝染病が流行った時、グリシャはキースの行きつけの酒場のウェイトレス、カルラとその両親の病を治したことで、カルラとの付き合いが始まり、後に結婚する。二人の間にはエレンが生まれる。

 

キースは調査兵団の団長になる。でもいつも成果は出せず、仲間を減らすばかりだった。キースは一度カルラから、「この子は別に特別にならなくてもいい。生まれてきてくれただけで偉大」と息子エレンのことについて話される。

 

時が経ってエレンが訓練兵団に入ってきた時、最初のバランス訓練で失敗するように、キースは装備の部品を一部欠けさしておいた。エレンに、「父グリシャの願い通り生きるのではなく、本当の自分に従って生きろ」ということを伝えたかったからだ。しかしその試みも、エレンの兵士になりたい思いを折ることはできなかったが…

 

 

第72話 奪還作戦の夜

キースの話を聞いた後、エルヴィン、ハンジ、リヴァイなどの調査兵団幹部は会議をしていた。グリシャは壁の外の人間である可能性が高い。その彼が、調査兵団になりたいと言った息子に見せようとした地下室。エルヴィンはそこに何があるのか知りたくてたまらない。自分の父親の仮説を証明するものがあるに違いない。

会議の後、エルヴィンはリヴァイから、今回の作戦は前線に来るなと言われる。エルヴィンが調査兵団を指揮している、そのことが敵にとって今一番の脅威だからだ。前線に来て死なれては困る。リヴァイの判断は妥当なものだったが、エルヴィンはきかなかった。この世の真実を知ることが彼のやりたいことだからだ。

 

作戦前夜、エレンとミカサとアルミンは3人で話していた。アルミンは、ガキの頃と変わらず、海や炎の水、氷の大地、砂の雪原を壁の外で見ることを夢見ている。彼はそれを楽しそうに話す。そんな3人の会話を、リヴァイは物陰に隠れて聞いていた。エルヴィンとアルミンが重なって見えたのだろう。2人とも同じように夢を見ている。ケニーの言い方をすれば、夢に酔っ払っている。夢の奴隷だ。

 

 

第73話 はじまりの街

翌日、日没と同時にウォール・マリア奪還作戦開始。調査兵団はウォール・ローゼ南 トロスト区のリーブス商会や住民らから歓迎されながら出発する。

そして日が昇る頃、シガンシナ区に到着。調査兵団はまず外門をふさぐ作業に取りかかる。総員100名がフードを被った状態で一斉に外門を目指す。これは敵にエレンがどれかわからなくさせるためだ。エレンは無事外門に辿り着き、巨人化、硬質化して巨人エレンの塊で外門の穴をふさぐ。

 

 

第74話 作戦成功条件

次は内門の穴だ。エレンたちは再びフードを被り内門まで移動する。しかしその移動中、エルヴィン団長から作戦中断の合図が信煙弾で撃たれる。総員壁の上に散らばって待機。

 

合図のある少し前、アルミンは壁の上に焚き火の後を見つけた。その周辺を調べると、野営用具が落ちており、鉄製の冷めきったポットと、ポットの中身を注いだ跡のあるカップが3つあった。敵は少なくとも3人はおり、何らかの方法で事前に調査兵団がこの日来ることを知っていたらしい。アルミンは、エルヴィンから敵の隠れ場所を探すよう指示を受ける。区外区内の内門周辺の建物を探すが、全然見つからない。

 

まずい…。もうエレンたちが内門をふさぎに来る…敵がどこにいるかもわからないのに。敵はいつだって僕らの予想外から攻めてくる。僕らがいつも不利なのは…いつだって僕らが巨人を知らないからだ。いつも…。その時、アルミンはストヘス区のアニ捕獲作戦で壁の中に巨人がいたことを思い出す。まさか…

 

アルミンは信煙弾を撃ち、壁上に敵捜索中の兵士を集める。

「アルレルト、見つけたのか!?敵はどこだ!?」

「まだです!!――全員で壁を調べて下さい!!」

「…壁はもう調べたと言ったろ!!どこにも隠れられる場所は――」

「壁の中です!!」

皆一瞬あっけにとられる。「壁の中!?」

「はい!きっと人が長い間入っていられる空間がどこかにあるはずです」

「なぜそれがわかる?」

「…勘です」

「お前今がどういう時だかわかっているのか!?そんなことにかける時間は――」

「し しかし敵は!!いつだってありえない巨人の力を使って僕達を追い込んできました。誰でも思いつく常識の範疇に留まっていては……到底敵を上回ることはできないのです!!」

 

エルヴィン団長はそれを聞いて、作戦中止の信煙弾を撃つ。

「時に厳格に 時に柔軟に。兵士の原理原則に則り最善を尽くせ。指揮系統を遵守せよ。我々は勝利するためにここに来たのだ」

アルミンはやはりこれしかないと踏む。

「再び二手に分かれ壁面の調査を!!扉の上部から入念に…捜索開始!!」

指示を受けた兵士たちは、自分達よりも若く経験の浅いアルミンの、突拍子もない発想にやはり納得がいかない。一瞬沈黙が流れる。しかし団長はアルミンの指示に従えという。…やるしかない。

「了解!!」

 

カンカンカンカン…兵士たちがシガンシナ区内側、内門付近の壁を上から下に向かって、刃で叩く音が響く。すると、穴が開いた所の上あたりの壁に、コンコンと音の違う部分が見つかる。見つけた兵士は信煙弾で知らせる。

その直後、壁が内部から開き、兵士が刃を胸に刺される。壁の中からライナーが出てくる。すぐ近くにいたアルミンは刃を構え、ライナーに応じる。とその時、リヴァイが壁上から急降下してきて、ライナーのうなじと胸に深く刃を突き刺す。そして蹴飛ばして地面に叩きつける。

「クソッ!!これも巨人の力か!?あと一歩…命を絶てなかった」

ライナーの体が光り、巨人化する。

 

それとほぼ同時に、ウォール・マリア内地、内門から離れた平地にも無数の光が。突如獣の巨人と、巨人の大群が現れる。獣の巨人は大きな岩を内門の穴めがけて投げる。岩は穴のあたりの地面に落下し砕ける。内門に岩のガレキの山ができ、馬が通れないようになった。敵はここでなんとしてもエレンを奪う気だ…

 

19巻 人類VS巨人@ウォール・マリア シガンシナ区

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第75話 二つの戦局

エルヴィン団長は敵の巨人たちを観察しつつ、どう出てくるかを窺っている。獣の巨人のすぐ側に四足歩行型の巨人がおり、何やら背中に荷物を載せた鞍がある。先ほど一斉に巨人化したものではなさそうだ。だとしたらそいつが敵の斥候で、我々の接近にいち早く気付き、ライナーらに伝えた…とするなら、知性を持っている巨人と見られる。

 

鎧の巨人が壁を上ってくる。そして獣の巨人が雄叫びを上げると、2~3m級の巨人たちが一斉に内門の方に走ってくる。

 

エルヴィンは敵のしようとしていることを読む。敵の主目的はエレンの奪取である。そのためにまず、我々が逃げられないようにしたいようだ。依然巨人の領域であるウォール・マリア領から我々が馬無しで帰還する術はない。馬を殺せば、あとは退路を閉鎖するだけで我々は逃げられなくなる。

一週間でも一ヶ月でも動けるものがいなくなるまでただ待てばいい。そうすれば敵は戦わずして虫の息となったエレンを奪い去ることができる。今、敵の大型巨人が隊列を組んで動かないのは、それが檻の役目を果たしているに違いない。

今やるべきことは、鎧の巨人と超大型巨人に馬を殺されるのを防ぐことだ。エルヴィンは指示を出す。

 

「ディルク班並びにマレーネ班は内門のクラース班と共に馬を死守せよ!!リヴァイ班並びにハンジ班は鎧の巨人を仕留めよ!!各班は指揮の下『雷槍』を使用し、何としてでも目的を果たせ!!今この時!!この一戦に!!人類存続の全てがかかっている!!今一度人類に…心臓を捧げよ!!」

 

「ハッ!!」

 

エルヴィンは全体指示と別に、リヴァイに獣の巨人を仕留めること、アルミンに鎧の巨人戦の現場指揮をハンジとやることを指示する。指示を出し終わった後、一人壁上に立ちながら、エルヴィンは思う。

 

今までこうして何度も仲間を鼓舞し、自分を鼓舞し、数え切れない犠牲者を出してきた。調査兵になって気付いたが、他の仲間は人類のためにすべてを捧げているのに、自分は、自分だけは夢を見ている。今多くの仲間の屍の上に立っている。その重責は生々しく感じるが、それでも脳裏にチラつくのは地下室のことだ。世界の真相を知るまでは、自分は死ねない…

 

 

 

鎧の巨人が壁上まで上ってきた。目線の先には馬。少し前、リヴァイにうなじをザックリ斬られた時のことをライナーは思い出す。危なかった…。あの時…意識を全身に移すのが一瞬でも遅れていれば、あのまま即死だった。

とその時、鎧の巨人の背後で閃光が。シガンシナ区でエレンが巨人化したのだ。巨人化エレンは南の壁に向かって走り出す。まさか、南から壁を越えて逃げる気か!?いやでもそれなら立体機動で東か西の壁を伝ってから巨人化するだろう…。

ライナーはエレンの行動を不可解に思うが、自分の注意を馬からエレンに向けるための、エルヴィンの考えだと気付く。しかし気付いた所で、逃げるのを放っておくわけにはいかない。エレンは馬がなくても巨人の力でトロスト区まで帰ることができるからだ。鎧の巨人はせっかく上った壁を降り、シガンシナ区の巨人化エレンを追う。

 

鎧の巨人が壁から降りてきたのがわかると、巨人化エレンは向き直り、戦闘態勢に入る。巨人化エレンは拳にメリケンサックのような硬質化物質をつくる。以前トロスト区で鎧の巨人と戦った時、エレンは勝っていた。1対1の格闘戦ならオレは勝てる…

 

 

第76話 雷槍

その予想通り、巨人化エレンは鎧の巨人に確実にダメージを与えられている。硬質化した拳が功を奏し、鎧の巨人の硬質化のボディをカンタンに砕ける。取っ組み合いになり、巨人化エレンの関節技が決まるが、鎧の巨人はそこから抜け出し、巨人化エレンと距離を取って少しの間静止する。どうする…オレ一人ではエレンをかじり取るまでいけない。もはやこの手を使うしか―― 

 

その時、ハンジ班とリヴァイ班兵士が鎧の巨人に向かって立体機動で急接近してきた。鎧の巨人は「兵士に何ができる。俺の硬質化ボディには刃は効かない」と無防備でいたが、目の前のハンジとミカサの射出器から槍状のものが発射され、鎧の巨人の両目に突き刺さる。槍には手りゅう弾のようなピンがついており、ハンジとミカサがそれぞれ引っこ抜くと、槍は爆発した。

ドドォッ!!

鎧の巨人は目をつぶされ、しゃがんで前かがみの格好で動きが止まる。

 

その槍は、ハンジが技術班に頼んで作ってもらった、対鎧の巨人用武器だった。爆発する時に雷が落ちたような音がするから「雷槍(らいそう)」という名がついた。威力は十分あるが、果して鎧の巨人にも効くのか、そこが賭けだった。

 

今、鎧の巨人のうなじは無防備だ。残りの兵士が一斉に鎧の巨人のうなじに雷槍を撃ち込む。ドドドドドドォッ…!!爆発跡を見ると、うなじの鎧が剥がれかけている…!やった!雷槍が効いた!

 

ハンジ「もう一度だ!!雷槍を撃ち込んで止めを刺せ!!」

 

104期兵は一瞬ためらう(ミカサは違う)。だがジャンが発破をかける。

「お前ら…こうなる覚悟は済ませたハズだろ!?やるぞ!!」サシャとコニーが悲壮な顔でジャンを見る。

「うおおおおおおおぉぉ!!」

 

ドスドスドスドス…!!鎧の巨人のうなじに雷槍が刺さる。鎧の巨人の中のライナーが一回目の雷槍爆発による気絶から目を覚ます。

「―ハッ…待っ…待って――」

 

ドドドドドォン…!!雷槍が爆発し、鎧の巨人のうなじから頭が吹っ飛んだライナーの体が露出する。

 

 

第77話 彼らが見た世界

「やったぞ!!頭を吹っ飛ばした!!鎧の巨人を仕留めたぞ!!」「うぅ……う………」

 

ハンジ班の兵たちは歓喜の声を上げ、104期兵は嗚咽を漏らしている。張りつめていた緊張がほぐれていく中、ミカサは鎧の巨人がピクッと動くのを見る。次の瞬間、

 

「オオオオォォオオオォオオオォォオオオオ…」

 

鎧の巨人が叫びを上げた。女型の巨人が捕えられた時上げた叫びと似たやつだ。敵側の何かの合図らしく、獣の巨人は四足歩行型巨人の背中の鞍から樽を一つ取り出し、シガンシナ区の中に向かって投げる。

 

ハンジはライナーの体ごと吹き飛ばすよう、雷槍をもう一度打ち込む指示をしていた。鎧の巨人の叫びで胸騒ぎがしていたアルミンは空を見上げ、獣の巨人が投げた樽がこちらに向かっているのを見つけ、中身はベルトルトだと直感する。

 

「ダメです!!ライナーから離れて下さい!!上です!!上から超大型が降ってきます!!ここは丸ごと吹き飛びます!!」

「クソッ!!全員鎧の巨人から離れろ!!超大型巨人がここに落ちてくるぞ!!」

 

 

第78話 光臨

ハンジ班とリヴァイ班の兵は一斉に離れる。しかしまだ超大型巨人の爆発を避けられる距離じゃない。もっと離れないと。でももう樽は建物のすぐ上まで落ちてきている。どうする…!

 

バカッ!!(樽のフタが開く音)「ライナアアアアァァ!!」

 

樽が開くと同時にベルトルトが飛び出してきて、巨人化せずライナーの元に着地する。ベルトルトはライナーの胸に手を当てる。…ドクン、ドクン…。生きている。どうやら全身の神経網に意識を移して死を免れたらしい。

 

ベルトルトがライナーの状態に気付き、攻撃を中断したおかげで、ハンジ班とリヴァイ班の兵と巨人化エレンは遠くまで離れることができ、助かった。ベルトルトがこちらに近づいてくる。ハンジが指示を出す。リヴァイ班(104期兵)はエレンを守れ。その他の者は全員で目標2体を仕留める。鎧に止めを刺し、超大型巨人は力を使わせて消耗させる。

 

せめてライナーに止めを刺しに行く間の時間稼ぎになればと、アルミンは独断でベルトルトと話し合いの交渉を試みる。が、ベルトルトは以前とは別人のように意志が強く、アルミンが揺さぶりをかけても全く動じない。そこへミカサが背後から奇襲をかけるが、ベルトルトは隙を見せず応じてくる。だがミカサを倒すまではいかないので、その場から逃げる。

 

一方鎧に止めを刺しに行った兵士たちだったが、鎧の巨人が体を仰向けにしている…!これじゃ止めがさせない…

他の兵はベルトルトを追いかける。ライナーを助けに行くと踏んで、距離をつめて追う。するとベルトルトは急に立体機動で上空に飛び上がる。まさか…ライナーはすぐ近くにいるのに…

 

そのまさかだった。ベルトルトの体が光り、それを中心にすさまじく広範囲の爆発が起こる。周りの建物が吹き飛ぶほどの爆風、上空には大きなきのこ雲。超大型巨人が現れる。巨人化エレンとリヴァイ班(104期兵)はだいぶ離れていたのでケガなく無事だった。鎧の巨人も無事なようだ。ハンジ班はベルトルトの近くにいたが…?

 

20巻 決着 獣、鎧、超大型を倒す

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第79話 完全試合(パーフェクトゲーム)

シガンシナ区で超大型巨人になったベルトルトは、周りの建物を燃やし、破壊しながら内門に向かってゆっくり前進していく。リヴァイ班(104期兵)はアルミンに指揮を求める。アルミンは「一旦撤退して団長と合流、指示を仰ぐ、超大型巨人は当初の作戦通り消耗戦で対応、力尽きるまでシガンシナ区で暴れさせておく」。そう自信無さげに言う。

「イヤ待てアルミン」その作戦ではマズイことがあるとジャンは気付く。

超大型巨人が内門まで来てしまうと、門の反対側の馬めがけて燃やしたガレキを投げてくるだろう。それで馬が殺されるどころか、向こうの仲間たちが巨人と炎のガレキに挟み撃ちにされてしまう。

ということは、超大型巨人は今、リヴァイ班だけで倒さなくてはならないことになる…。アルミンは今どうすればいいかわからない。一時的にジャンに指揮を交代してもらう。

 

ジャンは考える。超大型巨人に何が有効なのかわからない。だったら、思いついたことは何でも試して、奴の弱点を探るしかない。

まず巨人化エレンに叫んでみてもらうが、超大型巨人は全く止まる気配がない。エレンたちの存在には気付いたようだが、無視して内門の方に歩いてゆく。

次に、巨人化エレンに奴の足を力ずくで止めさせる作戦。巨人化エレンは叫びながら力の限り奴の片足を押すが、奴はその片足を浮かせて一旦後ろに引き、勢いよく前に振り出した…!ドオオォォン!巨人化エレンは吹っ飛び、内門の壁上あたりに打ちつけられ、のびる。ダメだった。

 

 

第80話 名も無き兵士

次は雷槍を撃ち込む作戦。ジャンとコニーとサシャが奴の気を惹きつけて、ミカサが背後から撃つ。その瞬間、超大型巨人は全身から蒸気を出しはじめ、その強力な熱風でミカサの撃った雷槍は奴に当たることなく吹き飛ばされる。ジャンたちの立体機動のアンカーも外れる。ミカサは吹き飛んだ雷槍が途中で爆発した破片を受け右腕を負傷、コニーは熱風の中で息を吸って喉が焼けた。ミカサがアルミンに訊く。

「どう?何か…反撃の糸口は…」

「…何も」

超大型巨人はまっすぐ内門の方へと進んでゆく…。

ドォン!!

突然近くの建物が破壊される音がする。その方を見ると、鎧の巨人が復活して立っていた…

 

 

 

 一方ウォール・マリア領、獣の巨人サイド。2~3m級の巨人を残り数体まで倒した。その時、突然おびただしい数の砲撃が内門の方に飛んでくる。ドドドドドオオオォォォン!!

巨人も人間も見境なく撃たれて吹き飛ぶ。エルヴィンは内門の壁上から、リヴァイは建物の屋根の上から見ていた。獣の巨人が大きな岩を砕いた塊を豪速球でこちらに投げてきていた。豪速球の投石は続く。ドドドドォォォン!!リヴァイは馬の牽引部隊に、壁側まで後退するよう指示する。エルヴィンがリヴァイの元に降りてくる。リヴァイが状況を尋ねる。

「獣は兵士が前方の1ヶ所に集まるように小型の巨人を操作していたのだろう。そこで小型の巨人を相手にしていたディルク・マレーネ・クラース班は先ほどの投石で全滅したようだ。つまり内門側の残存兵力は新米調査兵士の諸君たちと、リヴァイ兵士長、そして私だ」

 

ドドドドドドド…!!

「うあああ!!」「もうダメだああああ!!」新兵たちはパニックになっている。

リヴァイは巨人化エレンにエルヴィンと何人かを乗せて敗走する策を提案する。既に状況はそういう段階にあると思わないか?

「ああ、反撃の手立てが何も無ければな…」

「…あるのか?」

「…あぁ」

「…なぜそれをすぐに言わない?…なぜクソみてぇな面して黙っている?」

「…この作戦がうまくいけば…お前は獣を仕留めることができるかもしれない。ここにいる新兵と私の命を捧げればな」

 

このままでは我々はほとんど死ぬ。ならば玉砕覚悟で勝機に懸ける戦法も止む無しなのだが…そのためにはあの若者たちに死んでくれと、一流の詐欺師のように体のいい方便を並べなくてはならない。私が先頭を走らなければ誰も続く者はいないだろう。そして私は真っ先に死ぬ。地下室に何があるのか知ることもなくな…。ハァ…

 

エルヴィンはその辺の木箱に腰掛け、うなだれる。

「俺は…このまま…地下室に行きたい…。俺が今までやってこれたのも…いつかこんな日が来ると思ってたからだ…。いつか…“答え合わせ”ができるはずだと。

…何度も…死んだ方が楽だと思った。それでも…父との夢が頭にチラつくんだ。そして今、手を伸ばせば届く場所に答えがある。…すぐそこにあるんだ。

だがリヴァイ、見えるか?俺達の仲間が…

仲間たちは俺らを見ている。捧げた心臓がどうなったか知りたいんだ。まだ戦いは終わってないからな。

…すべては…俺の頭の中の…子供じみた妄想にすぎない…のか?」

エルヴィンはリヴァイを上目づかいに見る。リヴァイはエルヴィンの前で膝をつき、エルヴィンをまっすぐ見る。

「お前はよく戦った。おかげで俺達はここまで辿り着くことができた…。俺は選ぶぞ。夢を諦めて死んでくれ。新兵たちを地獄に導け。獣の巨人は俺が仕留める」

 

エルヴィンの顔からさっきまでの暗さと険しさが消えていく。どうやらここが動かしようのない自分の死に場所らしい。エルヴィンは木箱から立ち上がる。

 

「これより最終作戦を告げる!!」

総員による騎馬突撃を目標「獣の巨人」に仕掛ける。その際、少しでも投石の命中率を下げるため、目標の投石のタイミングを見て一斉に信煙弾を放つ。そして我々が囮になる間にリヴァイが大型巨人を伝って忍び寄り、獣の巨人を討ち取る。

 

新兵の一人が気分を悪くしてゲロを吐いてしまう。別の新兵がエルヴィンに尋ねる。

「俺達は、今から…死ぬんですか?」

「そうだ」

「…どうせ死ぬなら、最後に戦って死ねということですか?」

「そうだ」

「いや…どうせ死ぬなら…どうやって死のうと、命令に背いて死のうと…意味なんか無いですよね…?」

「まったくその通りだ」

「…!」

「まったくもって無意味だ。どんなに夢や希望を持っていても、幸福な人生を送ることができたとしても、岩で体を打ち砕かれても、同じだ。人はいずれ死ぬ。

ならば人生に意味が無いのか?そもそも生まれてきたことに意味は無かったのか?死んだ仲間もそうなのか?あの兵士たちも…無意味だったのか?

 

いや違う!!あの兵士に意味を与えるのは我々だ!!あの勇敢な死者を!!哀れな死者を!!想うことができるのは!!生者である我々だ!!我々はここで死に、次の生者に意味を託す!!

 

それこそ唯一!!この残酷な世界に抗う術なのだ!!」

 

そしてエルヴィン達は突撃する。

「うおおおおおおおおおおおお…!!」

エルヴィンは叫ぶ。

「兵士よ怒れ!!兵士よ叫べ!!兵士よ!!戦え!!」

 

 

第81話 約束

1発目の投石が来る…!ドドドドドドッ!!

エルヴィン含め総員の約1/3がやられる。

 

「団長が…!!」

「振り返るな!!進め!!」マルロが叫ぶ。

2発目が来る…

マルロは思う――来る。これが死か。自己犠牲の精神…自分で言ってたのがこれだ。ヒッチは今頃何を…イヤ…あいつはまだ寝てるか……ああ…いいな。

…わからない。何で…俺は…今頃…ヒッチの言う通りにすれば良かったって思うんだろうか…

 

ドドドドドドッ!!

マルロ含めほとんどの兵士がやられる。

「しゃああああああ!!ゲームセットォ!!ハハ、わかるか!?投げ方を変えたんだよ。これならイチコロでしょ」

獣の巨人は得意げに前を見る。しかし…

「うおおおおおぉぉぉおおおぉぉ」

まだ3人残っている。獣の巨人めがけて突撃してくる。

「だから…そんなに叫んで何の意味があるってんだよ!!」ドドドドォォォ!!

最後の3人もやられる。

 

ドォ…。ドサ…。兵士達を哀れに思っていると、獣の巨人は近くの大型巨人が倒れているのに気が付いた。その方を見やると、立体機動装置のアンカーが飛んできて、獣の巨人に刺さる。騎馬特攻兵の最後の3人が撃った信煙弾の煙から、リヴァイが現れる。

リヴァイは目にも止まらぬ速さで獣の巨人の目を斬り、足を斬り、腕を斬り、うなじを斬る。獣の巨人はリヴァイを捕えることも、うなじを手で守ることも、硬質化で守ることも、すべてが間に合わない。リヴァイは中身のジーク戦士長を巨人の肉から斬り取り、彼の四肢を斬って、口の中に刃を刺す。

 

こいつはまだ殺せない。誰か生き残ってる奴に、ケニーからもらった巨人化の注射を打って巨人化させ、ジークを食わせ力を奪う。そうして一人だけ生き返らせることができる…

ドドドドドド!リヴァイの背後からものすごい勢いで何かが近づいてくる。リヴァイは振り向きざまに避ける。バクッ!四足歩行型の巨人がジークをくわえてダッシュで逃げてゆく。ジークは大型巨人に向かって叫ぶ。

お前ら!!あいつを殺せ!!

すると突っ立っていた大型巨人達は一斉にリヴァイの方を向き、襲いかかってくる。

「待てよ…俺はあいつに誓ったんだ…必ずお前を殺すと…俺は――誓った!」

パシュッ!立体機動のアンカーを発射し、リヴァイはたった一人で襲ってくる大型巨人の相手をする…

 

一方騎馬特攻兵の中で生き残った新兵が一人いた。

「何で…俺…生きてる…のか…?誰か…オーイ…生き残った奴はいないのか…?」

 

 

 

 

その頃シガンシナ区では、超大型巨人に歯が立たず、鎧の巨人も復活し、絶望の空気がリヴァイ班(104期兵)の中で濃くなっていた。ジャンが口を開く。

「アルミン…もうエレンを逃がすことにすべてを懸けるしか…」

「…」

「聞いてんのかよアルミン…」

「…やせてる」

「…?」

「超大型巨人が少し…細くなってる…。ハンジさんの言った通りだ!!やっぱり超大型巨人は消耗戦に弱い!!」

 

アルミンはついに反撃の作戦を思いつく。鎧の巨人を惹きつけておいてもらえれば、超大型巨人は自分とエレンで倒せる。アルミンはミカサ、ジャン、コニー、サシャに鎧の巨人を任せ、一人壁上でのびている巨人化エレンの元へゆく。

エレンを起こし、作戦を伝える…

 

 

第82話 勇者

「何があっても僕の作戦守ってくれよ!?」

そう言ってアルミンは巨人化エレンの肩から壁上の地面に降りる。超大型巨人が少しずつアルミン達の方へ近づいている。その時、巨人化エレンは足を踏み外して下に落下する。ドォォォ…ン。巨人化エレンはうずくまって動かない。

 

ベルトルト「やっぱり…勝負はもうついていたんだ…。もう十分だ、終わりにしよう」

超大型巨人の右手がアルミンに向かってくる。ドォ!その攻撃をアルミンは避けて、立体機動で超大型巨人に接近する。しかし超大型巨人は再び全身から高熱の蒸気を発し、アルミンを近づけまいとする。しかしアルミンの立体機動のアンカーは外れない。なぜだ?よく見ると、アンカーは超大型巨人の歯に刺さっている。熱風は肉の部分からしか出ないんだ!

 

けど、とベルトルトは考える。それがわかった所で何だというんだ?君は僕の熱風でこれ以上近づけない。巨人化エレンも壁の傍でくたびれたままだ。ミカサ達はライナーの相手で手一杯だし。…本当にもう何もないのか!?…なら、今楽にしてやる。

超大型巨人は熱風の強さを一気に上げる。ボオオオオオオォォォォ!!

「ッ!!」

アルミンは吹き飛ばされないよう、装置のグリップを握っているのが精一杯だ。

 

まだだ。まだ離すな。エレンに託すんだ…僕の夢、命、すべて。僕が捨てられるものなんて…これしか無いんだ…

アルミンの手がグリップからついに離れ、丸コゲになったアルミンは吹き飛ばされる。

 

終わった…。さぁ次は、エレンと馬を…ん?超大型巨人が巨人化エレンを見ると、さっきからずっとくたびれて動かないと思っていたのは、硬質化した巨人化エレンの抜け殻だった。…え?

「殺(と)った」

超大型巨人の背後に、立体機動でエレンが飛び上がってきた。エレンはそのまま超大型巨人のうなじに移動し、ベルトルトを四肢の付け根から斬り取る。

 

陽動作戦…。最初にエレンが動けないと思わせたのも、アルミンの抵抗も、硬質化した巨人のカカシを造るための時間稼ぎ…。すべてはベルトルトの周りに敵がいなくなったと思い込ませるための計算された動きだった。

 

 

  

一方ミカサ達は、はじめ鎧の巨人がアルミン達の方へ行かないように惹きつけようとしたが、鎧の巨人は彼らを無視してアルミン達の方へまっすぐ走っていく。

注意を引けないのなら、ここで殺すしかない。ミカサは素早く判断し、走っていく鎧の巨人の膝裏に雷槍を撃ち込む。ドオォン!膝が砕け、鎧の巨人はその場に倒れる。

「オイ!!」

ミカサの単独行動にジャンは思わず声を上げる。

「ここでエレンとアルミンを守る」

「…あぁ…わかった!!」

4人は鎧の巨人を囲うように散らばる。

 

雷槍は残り3本…。これで鎧を仕留める方法は、1つしかない。奴が動けない内に勝負に出る!

「ライナアアアアアアアア!!」

ジャンが囮に、鎧の巨人の右斜め後ろから斬りかかる。それとほぼ同時に、鎧の巨人の左右からサシャとコニーがそれぞれ一本ずつ雷槍を構えて接近する。

鎧の巨人はサシャとジャンがいる右方の建物の家屋を右手で切り裂く。サシャとジャンは飛んでくる無数の鋭い木片を浴びる。サシャは雷槍を撃つも、鎧の巨人には当てられなかった。コニーは鎧の巨人の顎左側に雷槍を命中させる。ドォン!鎧の巨人の左顎が外れる。

…一本、外した。両顎を外して開いた口に雷槍を撃つつもりだったのだが…。ミカサは雷槍を構えたまま一瞬止まる。その時!

 

「よくやった!!」

ハンジが現れ、鎧の巨人の顎右側に雷槍を撃つ。ドオォォン!

ガコッ!鎧の巨人の口が開く。「今だ!!ミカサ!!」

鎧の巨人は右手で(左手はさっきから地面に手をついて、姿勢を保つために使っている)ミカサを捕えようとする。ミカサはそれをひらりとかわし、鎧の巨人の顎まで飛び込んで、口の中に雷槍をぶっ放す。

「ライナー、出て」

 

ドオォォォォ…ン!!

鎧の巨人のうなじからライナーが吹っ飛んで出てくる。