缶ヶ江メグルは進撃の巨人が好き

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壁の向こう側に行く

16巻あらすじ リヴァイ、ハンジ一行、エレンとヒストリアのもとへ

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 第63話 鎖

レイス卿領地、礼拝堂地下。エレンは高台のへさきに鎖でつながれ、動けない。ヒストリアがエレンの体に触れると、ヒストリアのある記憶が蘇る。エレンも父親に関する大事な記憶を思い出す。

ロッド・レイスが語り始める。

5年前、エレンの父グリシャ・イェーガーはこの場所にやってきて、レイス家一族を皆殺しにした。目的は、ロッド・レイスの娘、フリーダが持つ巨人の力を奪うこと。グリシャは巨人化し、同じく巨人化したフリーダと戦い、フリーダを食って巨人の力を奪った。そしてレイス家を根絶やしにするため、残りの家族も殺す。ロッド・レイスはかろうじてその場から逃げ出し、生き延びた。

話の途中でケニーが割って入ってくる。王都でクーデターが成功し、この場所もいずれ見つかる。時間がない。早くやることをやってくれ、と。ケニーは何か企んでいる顔である。

 

 

 

 

 

 

 

 

第64話 歓迎会

一方リヴァイ、ハンジ一行は道中、戦闘の役に立ちそうな物資を民家で調達しつつ、ついに礼拝堂地下の入り口まで辿り着く。これまで中央憲兵本部にも、王都にも、第一憲兵ケニーの対人立体機動部隊がいなかった。ということは、必ずこの先の地下におり、リヴァイら調査兵団の部隊を迎え撃つため待ち伏せている。

 

リヴァイ「それでお前ら…手を汚す覚悟の方はどうだ?」

皆肝の据わった、動揺のない2つの眼でリヴァイの方を向く。

 

「…良さそうだな」リヴァイが扉を勢いよく蹴っ飛ばして、総員地下へ侵入する。事前に対人立体機動の弱点をつけるようにと用意しておいた煙幕用の火薬と油や信煙弾が功を奏し、リヴァイらは次々とケニーの部隊を殺していく。

しかし、ハンジが敵に気絶させられ、リヴァイらの攻撃の手が止まる。その隙に敵の部隊は離れて距離を取り、体勢を立て直す。ハンジの介抱はアルミンが引き受け、残りの者で敵を追いかける…

 

 

ケニーの部隊とリヴァイらの戦闘の音が、エレンらのいる地下室奥にも聞こえてくる。

ロッド・レイスはまた語り始める。

この地下の洞窟は約100年前に作られた。ある巨人によって。その巨人は、あの三重の壁も作り、人々の壁の外にいた時の記憶を改ざんした。その巨人の力と、世界の成り立ちとその経緯の記憶は代々レイス家で継承されてきた。継承者が巨人化して食うやり方で。その力さえあれば、この世の巨人を駆逐することも可能だという。しかし、それはレイス王家の血を引く者でなければ真の力を発揮できない。つまり今エレンがその力を持っていても、使えない。

「オイオイ オイオイ…」ケニーがうろたえた顔で言う。「じ…じゃあ俺が巨人になってエレンを食っても意味ないのかよ…」

 

 

 

 

 

 

 

第65話 夢と呪い 

ケニーには夢があった。この世で一番強い巨人の力を手に入れて、この世界を盤上ごとひっくり返すという、夢が。巨人の力のことは、もう何十年も前、ケニーがまだ都で切り裂きケニーと呼ばれていた頃、彼の祖父から聞いて知ったのだった。

 

でもここでその夢は叶わないと知ってしまった。ケニーはエレンの所まで歩いてゆく。そしてエレンの猿ぐつわを外し、ナイフで額に切り込みを入れる。エレンとヒストリア、同時に巨人になってもらい、殺し合う所を見ようというのだ。ケニーは見物のため安全な所まで離れる。

 

ロッド・レイスがヒストリアをたきつける。「急げヒストリア!!」エレンが巨人化する前に。ヒストリアは注射器の先を自分の腕につける。エレンを見る。全く抵抗しようとする気配がない。

「エレン、何で巨人化しないの?」

「いらなかったんだよ…。オレも、オレの親父も」

お前の姉ちゃんから力を奪わなければ、こんな大勢の命を失わずに済んだんだ。俺にはどうやっても償いきれない。ヒストリア、俺を食って人類を救ってくれ…

 

 

 

 

 

 

 

 

第66話 願い

ヒストリアは一瞬、自分の母に「こいつを殺す勇気が私にあれば…」と言われた時のことを思い出す。

注射器の手が止まっていると、ロッド・レイスがやさしい声で促してくる。しかし、エレンを食ったところで初代王の思想に支配されてしまい、巨人を駆逐することはできない……しかしそれは私の使命……ユミルのかけてくれた言葉が蘇る。「クリスタ、お前の生き方に口出しする権利は私に無い」……でもお父さんが望むのは私が巨人になってエレンを食うこと……ユミル「お前、胸張って生きろよ」

 

パリンッ!

 

ヒストリアは注射器を地面に叩きつけた。「ヒストリア!!」激怒してつかみかかる父親を背負い投げし、逆ギレする。

「もう!これ以上…私を殺してたまるか!!」

 

ヒストリアは側に置いてあったロッド・レイスの鞄を持って、エレンのもとに走る。鞄からカギを取り出し、エレンの鎖を外そうとする。

一方ロッド・レイスは割れた注射器からこぼれた巨人化液をなめて、巨人化しはじめる。エレンは巨人化したロッド・レイスに食われればいいと思い、ヒストリアに逃げろと言う。しかしヒストリアは嫌だと言う。何で!?

 

「私は人類の敵だけど…エレンの味方。いい子にもなれないし神様にもなりたくない。でも…自分なんかいらないって言って泣いてる人がいたら…そんなことないよって伝えに行きたい。それが誰だって!どこにいたって!私が必ず助けに行く!!」

 

エレンの鎖のカギを1コ外せたが、巨人化のものすごい熱風でヒストリアは吹き飛ばされる。壁に頭を打ちつけそうになった時、ミカサに受け止められ、助かる。

リヴァイや104期生の皆もやってきた。リヴァイとコニーとジャンでエレンの鎖のカギを外す。ロッド・レイスの巨人は超大型巨人よりも大きくなっていき、地下の天井を突き破ろうとしている。このままでは天井が崩落してガレキに潰され死んでしまう。と言って穴が開いた天井を立体機動で飛び抜けようにも、巨人化の熱がすさまじすぎて穴に近づけそうにない。しかしそれ以外に方法が無さそうだ。

 

どうする…。エレンはロッド・レイスの鞄から出ている、巨人化液の入ったビンが手元に転がっているのを見つける。ラベルには「ヨロイ」と書いてある。リヴァイがエレンに話しかける。

「毎度お前にばかり…すまなく思うが、好きな方をえらべ」

エレンは女型の巨人を捕らえる時、リヴァイから同じことを言われたのを思い出す。

そして「ヨロイ」のビンをつかんで走り出し、ビンを口でかみくだく。液を飲んで、巨人化しはじめる。

 

「ごめんなさい…最後に一度だけ…許してほしい。自分を信じることを」